議論呼ぶ新庄発言はすべて計算のうち?(写真提供・日刊スポーツ)
議論呼ぶ新庄発言はすべて計算のうち?(写真提供・日刊スポーツ)
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 日本ハム・新庄剛志監督の発言が各方面へ影響を与えている。監督個人の考えでやっているのか。球団も関わったPR作戦なのか。ここまで積極的な情報戦略は、今までのNPB では考えられなかった。

【写真】新庄監督からたびたび“ディス”られる(?)のがこちら

 新庄監督の発言やSNSへの書き込みに、野球関係者・ファンの多くが注目している。マスコミの前で口を開けば大きく報道され、SNS上での“意味深”発言は各所で議論を呼ぶ。

「明日話したいことがあるので、今日は選手に聞いてください」(7月20日試合後/新庄監督)

 楽天戦(宮城)に「4-2」で勝利を収め、前半戦首位ターンを決めた後だった。景気の良い話が飛び出すと思えたが、“意味深”な言葉を残して球場を後にした。

「騒然とした雰囲気になった。今季限りでの退任を発表するのか。直前に掲載された自身の批判記事に対する抗議なのか。普通でないことは明らかで、マスコミ各社は多くの人員を翌日に派遣したが……」(スポーツ新聞野球担当デスク)

 2006年4月18日に発表した「同年限りの現役引退」も試合後のヒーローインタビューでのもの。「進退を語るのでは……」というのが大方の予想だった。ところが、だ。

「あれ、逆に取ったらどう。外す方が僕は良いと思います。(中略)……あれ、お金はかかると思うんで12球団で出し合って。それくらいね、あそこでプレーするんだから。もしね、なんか起きて、一番最悪な状態になった時に取り返しつかないんで」(7月21日試合前/新庄監督)

 ふたを開けてみれば、西武の本拠地・ベルーナドームの屋根についての発言だった。同ドームについての意見は以前からしていたが、今回は誰もが肩透かしを食う形となった。

「誰もが唖然とした。『あれだけのフリをして、このタイミングで話すこと?』と。新庄監督自身のアイディアだろうが、コメントの場をセッティングする広報部の仕切りも見事だった。監督と球団に弄ばれた形になった」(スポーツ新聞野球担当デスク)

 球界の未来を考える新庄監督、球団イメージを高めたい広報部の両方に「思惑があったのでは?」と見られている。

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