
選挙だけではなく、おそらく世の中のおおよそのことに関し、バランスがどうか? で考えているところがあるのかもしれない。今回、選挙について友人と話しているときに、そう思うに至りました。おそらく両親の教育の影響だと思います。バランスや多様性を重視するよう具体的に教えられた記憶はありませんが、生活者としての親の後ろ姿を見て、私がそう受け取ったのだと思います。
また、「わかりやすいことには要注意」という意識も私にはあります。これは、新卒から始めた宣伝という仕事が影響しています。わかりやすく、届きやすく、キャッチーにすることで人気や売り上げが変わるさまを見てきたので、それと本質が必ずしも連動しているとは限らないことを知っているからです。
宣伝には嘘があるという意味ではありません。それは私の流儀に反します。しかし、どこをどう強調するかで、人の認識は変わるということは知っている。パッケージと名前を変えたら、同じ中身でも急激に売り上げを伸ばした商品の話などは、関わった人たちの工夫や苦労がうかがい知れて大好きなんですが、選挙活動においてSNSやショート動画が主流になりつつある現在、わかりやすさは今まで以上に大きな影響力を持ちます。ルールが変わったと言える。ならば、各党がそれに対応する必要はあるのでしょう。と同時に、「簡単に結論が出せる話ではない」が通用しなくなることに、やや恐怖があります。
※AERA 2025年8月4日号
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