アトランタで開催されたMLBオールスターゲームのレッドカーペットで。ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手と夫人の田中真美子さん=2025年7月15日(写真:AP/アフロ)
アトランタで開催されたMLBオールスターゲームのレッドカーペットで。ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手と夫人の田中真美子さん=2025年7月15日(写真:AP/アフロ)
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 メジャーリーグはオールスターゲームが終わり、シーズン後半戦がスタート。大谷翔平選手とドジャースの後半戦の見どころを在米ジャーナリストが展望する。AERA 2025年7月28日号より。

【写真】オールスターゲームで同僚のフリーマンを出迎える大谷

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 後半戦、何に注目すべきか。まずはやはり、約2年ぶりにマウンドに戻った大谷翔平の投球だ。オールスター休みまでに5試合に登板し、合計9イニングを投げてわずか1失点、防御率1.00。制球が乱れた初登板以降は、4試合連続で無失点。復帰直後という条件を考えれば、ほぼ完璧な結果と言っていい。球速も球質も手術前と変わっていない。メジャー自己最速となる101.7マイル(約163.7キロ)も記録した。

 一方、ピッチングの再開による「二刀流疲労」が心配されている。登板翌日に打撃が落ちるとの声もある。しかし、それでもナ・リーグトップの32本塁打を記録し、打撃の総合指標でメジャー上位5人に入っているのだから、さすがとしか言えない。ドジャース全体を見ると必ずしも順風満帆とは言えない。オールスター前にはまさかの7連敗。最大の要因は、投手陣の崩壊だった。今季ここまでに延べ14人の投手が故障者リスト入り。タイラー・グラスノー、ブレイク・スネル、佐々木朗希など先発の柱が相次いで離脱した。ファンがSNSで嘆き節を漏らす気持ちも分かる。

 だが、それでも58勝39敗、勝率.598でナ・リーグ西地区の首位をキープ。メジャー全体でも2位という成績で前半戦を終えた。162試合という長丁場のシーズンでは、途中の浮き沈みは避けられない。重要なのは、「最後にどこにいるか」だ。短期の不振に一喜一憂するのは自然だが、チームの“地力”は長いシーズンで必ず浮かび上がる。

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