
MLBは2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を、「今まで以上に重要な大会」と捉えている。同年オフに“ロックアウト”が行われる可能性が高く、翌27年シーズン開幕の目処が立たなくなる可能性が大きいからだ。
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MLB機構は7月8日(日本時間9日)、2026年3月開催の第6回WBC日程を発表した。過去3度の世界一に輝いた日本代表・侍ジャパンはプールCに所属。1次リーグは日本国内で戦い、勝ち抜いた場合は米国での試合が続くことになる。
「今回も侍ジャパンが優勝候補なのは間違いないが、米国をはじめ、各国から次々とMLBスター選手の参加が発表されている。今まで以上の熱戦が期待できる大会になる」(NPB関係者)
米国からはアーロン・ジャッジ(ヤンキース)、マイク・トラウト(エンゼルス)、ムーキー・ベッツ(ドジャース)などが参加表明。ドミニカ共和国からフェルナンド・タティースJr.、マニー・マチャド(パドレス)、フアン・ソト(メッツ)……。プエルトリコからはフランシスコ・リンドーア(メッツ)など、オールスター級の選手が揃いそうだ。
「2026年大会へ向け、MLB機構は早い段階から、各球団や選手側(本人、代理人)と交渉を行なってきた。同年オフ以降の先行きが不透明なため、WBCを大成功させる必要があったから」(MLBアジア地区担当スカウト)
オフシーズンでの怪我・故障のリスクを抑えるため、WBC参加に二の足を踏む球団・選手は多かったが、今回は事情が異なるようだ。「2026年オフにオーナー側による“ロックアウト”が行われる可能性が高い」(スポーツマネージメント会社関係者)のが理由だ。
「MLB選手会とオーナー側の労使交渉は、かなり細かい部分まで話し合われる。よほどでないと妥協することは考えられないので、今回も紛糾するはず」(在米スポーツライター)
現在の労使協定は、2026年12月1日(日本時間2日)で失効する。そこまでに交渉がまとまらなければ、「オーナー側は“ロックアウト”を行うだろう」とMLB選手会専務理事・トニー・クラーク氏(元タイガース)も可能性を示唆している。