今季もジャクソンとともに開幕ローテーション入りを果たすと、ここまで13試合に登板して勝敗こそ5勝5敗ながら、防御率はリーグ3位の1.66をマークするなど安定した投球を続けている。ジャクソンのところで紹介したQSも13試合中11試合でクリアし、先発した全ての試合で6回以上を投げ切っているというのは見事というほかない。
183cmと外国人選手にしては上背がある方ではないが、たくましい体格を生かした豪快な腕の振りから繰り出すストレートはコンスタントに150キロ台中盤をマークする。変化球は140キロ台中盤のカットボールと130キロ台のスライダーを投げ分け、130キロ台中盤のチェンジアップもブレーキは申し分ない。
そして来日後に大きく改善したのがコントロールだ。昨年はリーグワーストの与四球53を記録していたが、今年は87回を投げて与四球21と大幅に減少。昨年は4個記録した暴投も今年はここまで0となっている。東克樹以外に安定した先発左腕がいないだけに、後半戦もかかる期待は大きい。
ブルペン陣の中心的な存在になっているのがウィックだ。
メジャーでは2022年にカブスで64試合に登板。通算146試合に投げて6勝、20セーブ、16ホールドをマークするなど、リリーフとして活躍した。2023年はメジャーでの登板はなかったが、マイナーでも好成績を残していたこともあって昨年DeNAに入団。NPB1年目は43試合に登板して5勝1敗1セーブ11ホールド、防御率2.60という成績を残した。
今季は4月20日の中日戦から6月11日のオリックス戦まで18試合連続無失点を記録。ここまで28試合に登板して3勝、2セーブ、15ホールド、防御率0.88と大きく成績を伸ばしている。5月6日の中日戦では最速160キロをマークしており、ストレートはアベレージでも155キロを超える。ただ速いだけでなく数字に見合う威力があり、空振りを奪えるというのも大きな特長だ。