抜群の存在感を示しているジャクソン(写真提供・日刊スポーツ)
抜群の存在感を示しているジャクソン(写真提供・日刊スポーツ)
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 昨季、26年ぶりの日本一に輝いたDeNA。今季はサイ・ヤング賞右腕のトレバー・バウアーが2年ぶりに復帰して期待が高まっていたが、ここまで16試合に先発して4勝7敗、防御率4.06ともうひとつ成績を残せないでいる。チームも首位の阪神とは大差をつけられており、1998年以来となるリーグ優勝はかなり厳しい状況だ。

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 ただバウアーが不調な一方で抜群の存在感を示しているのが、アンドレ・ジャクソン、アンソニー・ケイ、ローワン・ウィックという他の外国人投手3人だ。

 ジャクソンは2023年にパイレーツでメジャー初勝利をマークし、翌24年にDeNA入団。来日1年目の昨季は開幕ローテーション入りを果たすと、規定投球回数をクリアして8勝7敗、防御率2.90という成績を残した。今季も開幕から勝ち星を重ね、ここまで14試合に先発して7勝4敗、防御率1.83と先発の柱として十分な活躍を見せているのだ。

 最大の持ち味は常時150キロを超えるスピードボールだ。190cmの長身を生かしたフォームの躍動感は抜群で、打者に与える威圧感は相当なものがあり、全投球に占めるストレートの割合は約5割を占める。130キロ台後半のスピードで鋭く沈むチェンジアップと、同じくらいのスピードで変化するカットボールという対になる変化球を操れるのも強みだ。来日直後はコントロールに苦しむことが多かったが、今年はそのようなシーンも確実に減っており、7回を投げて与四死球0という試合も3度記録している。先発投手が仕事を果たした基準と言われるクオリティスタート(以下QS、6回以上を投げて自責点3以内)も14試合中12試合でクリアしており、試合を作る能力の高さはセ・リーグでもトップクラスと言えるだろう。今年で29歳と年齢的にもまだまだ若く、長く先発の柱としても期待できそうだ。

 もう1人の先発投手であるケイもメジャーでは通算4勝と実績は乏しいが、貴重な左のパワーピッチャーという点が評価されて、昨年DeNAに入団。1年目は6勝9敗と負け越したものの、24試合、136回2/3を投げて防御率3.42とまずまずの成績を残して残留を勝ち取った。

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