第一声を神戸市で挙げた石破首相
第一声を神戸市で挙げた石破首相
この記事の写真をすべて見る

 参院選が7月3日、スタートした。石破茂首相が第一声を上げたのは、東京でも大阪でもなく、兵庫県神戸市の東遊園地。厳重な警備態勢の中でマイクを握り、

【一覧】2025参院選「全選挙区当落予測」はこちら(6月26日時点)

「困った方々に重点的にお払いをする、それが給付金。決してバラマキでもなんでもありません」

 と給付金を強調した。

 兵庫選挙区は改選数3のところに自民党、公明党、日本維新の会、共産党、国民民主党、れいわ新選組、参政党、社民党、NHK党などの候補が出馬し、3年前の参院選と同じ過去最多となる13人が争う大激戦区だ。

 石破首相が第一声の地に兵庫県を選んだことについて、自民幹部はこう話す。

「表向きは阪神大震災、防災を訴えたいという格好です。しかし、あまりに激戦で、改選数3なのに自民が議席をとれないなんてことは絶対にダメ。公明もきつい状況で、自公ともに議席を落としかねない。そこで石破首相がマイクを握った」

 公明の斉藤鉄夫代表も神戸市西区で第一声を上げた。兵庫選挙区で現職議員がいる自公両党にとって、議席を失いかねない厳しい選挙戦となっているのだ。

「とんでもない大量得票の可能性」

 公明県議は、改選数3だが「2議席を各党で奪い合う構図だ」と言い、こう話す。

「春に参院選出馬を表明した泉さんは、兵庫県内をくまなくまわって十分に態勢を整えて選挙に臨んでいる。抜群の知名度でトップ当選は堅い。80万票とか90万票とか、とんでもない大量得票になるかもしれない」

 無所属(立憲民主党県連推薦)で立候補した前明石市長の泉房穂氏が圧倒的だというのだ。

 テレビのコメンテーターもしていた泉氏の知名度は高く、確かに泉氏が繁華街に繰り出すと、すさまじい人波にのみ込まれそうになるほどの人気ぶりだ。

 そこで泉氏を直撃すると、

「圧勝だ、トップ当選だと言ってくださる方はいますが、まだ始まったばかり。選挙は何が起こるかわかりません」

 と慎重な口ぶりだった。

 兵庫選挙区は改選数3になった2016年以降、自民、公明、維新が議席を分け合ってきた。16年は自民候補がトップ当選で約64万票、19年は維新候補がトップで約57万票、前回22年は維新候補がトップで約65万票を獲得している。知名度の高い泉氏は、それを上回る大量得票をするのでは、という見立てが多く聞かれる。

次のページ 自公がつぶし合う展開にも…