
NPB各球団が行う演出の規模がどんどん大きくなっている。球場へ足を運べば他エンタメに負けないほど豪華なものを楽しめる。「野球を観る以外の娯楽の提供」が観客動員数を増やす重要な要素にまでなっている。
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昨今のNPBで演出規模が最も大きいのは、DeNAの横浜スタジアム(以下ハマスタ)だろう。イニング間にはスポンサーが付いた多種多様なイベントを開催。球場内には数多くの飲食物が展開されるなど、今や横浜の一大観光スポットになっている。
「DeNAが旗振り役で、神奈川県、横浜市、市民(=ファン)の官民一体でプロスポーツの成功例を作り上げている。経済効果も抜群で、ベイスターズは“地域の誇り”になっている」(地元・関内の商店街関係者)
「15年前までは考えられないような盛況ぶり。いろいろなイベントがあって毎試合がお祭りみたい。友人にも会えるし、野球場の域を超えた社交場のような感じ」(シーズン席を持つDeNAファン)
2011年にDeNAがベイスターズの親会社となったことがきっかけ。16年にハマスタを友好的TOB(株式公開買い付け)で自前球場にすると、「皆が集まる楽しい場所」を目指して改修に着手。野球以外も楽しめる仕掛けを数多く取り入れ、新規ファン開拓に成功した。
「他球団監督から『イベントの時間が長過ぎる』というクレームが入ったこともある。しかし球場へ来て楽しんでもらうためなら、何にでもトライしたい」(DeNA関係者)
今季も多くの“仕掛け”を行っているが、度肝を抜いたのはクローザー・入江大生の登場シーン。外野フィールドに持ち込まれた入場ゲートから噴き出す火柱の中、リリーフカーで颯爽と登場する。
「インプレー中ではないが、試合中にフィールド内へ機材を持ち込む発想に驚いた。あらかじめNPBへ申請しているはずだが、許可したNPBの柔軟性にも拍手を贈りたい」(スポーツマーケティング関連会社関係者)
試合を締めくくる“抑え投手”の登板は試合のクライマックス。以前は山﨑康晃が登場する際の“ヤスアキジャンプ”もハマスタ恒例だった。新しいクローザー誕生と共に新名物ができつつある。