
「パラレル家事」で時短
家事運用の型がわかれば、家事シェアの第一歩が踏み出せる。ここで気をつけたいのは、すべての家事を書き出して分担を考え出すことだ。分担を決めて、うまく走り出すことができればいいが、実際にこなせるかどうかを考慮できておらず、「私はこれだけやっているのに、あなたはこれしかできていない」などと、分担のバランスに不満が出てしまうこともありえる。三木さんは「必ず先に『生活の時間軸』を共有してほしい」と話す。
「平日の朝なら、朝起きてから家を出るまでにどのくらいの時間があるか。たとえば2時間だとして、その2時間の内にやるべき家事を全部洗い出す。朝食づくり、身支度、子どもを送り出すなど、家事が20個出てきたとしたら、どうすれば2時間以内に家族と協力し合って終わらせられるかをゲーム感覚で組み合わせてみるんです」

もちろん、「どう組み替えても終わらない!」という場合もある。そのときは「パラレル家事」が実践できているかを確認したい。
「同じ時間に家族が別の家事をすることを『パラレル家事』と呼んでいます。妻が料理中であれば夫が洗濯を済ませてしまうというように、家族の状況を見てパラレル家事が自然とできるようになると、時短にもなりますし、家事への責任感や主体性も生まれます。家事シェアは負担や不公平感を覚えたときにトラブルになるので、『やらされている』『やらせている』という思いを抱かず、『うまくできないかもしれないけど任せてほしい』『あなたの助けがないと困る』と素直に伝え合ってみてください」
チャート診断やパズルのような時間軸での組み合わせ。ゲームのように楽しく一緒に家事シェアができれば、日々の不満も少しは和らぐかも。
(AERA編集部・秦 正理)
