
交流戦はパ・リーグが63勝43敗2分で3年連続勝ち越して、上位6位までをすべてパ・リーグ球団が占めた。パ・リーグの上位独占は2010年以来15年ぶり2度目。セ・リーグは全球団が勝率5割以下と苦戦した。
【写真】交流戦で3試合連続完封などセ・リーグ打線を手玉にとったのはこの人
05年からスタートした交流戦は今年で20度目(20年は新型コロナウイルスの影響で開催中止)だが、そのうち17度はパ・リーグが勝ち越している。今年は勝利数の差が20で、これは18試合制になった15年以降では最大差だった。パ・リーグが勝利差10以上で勝ち越したのは8度目だが、セ・リーグが勝ち越した3度は、いずれも勝利差3以内の僅差だった。交流戦を見る限り、明らかにパ・リーグ球団の実力が、セ・リーグを上回っているといえるだろう。
この要因として、よく言われるのが「指名打者制」導入の有無だ。現役時代に両リーグでプレーした選手はこう語る。
「指名打者制を導入しているパ・リーグのほうが、打撃に特化した選手を入れて普段から戦っているので得点力が高いですし、投手は指名打者が入った相手打線と対戦しているので鍛えられている。投手に打席が回ってこないので、長いイニングを投げるケースが多くなり、エース級の投手が育ちやすい土壌があります」
日本からメジャーリーグに飛び出して活躍した投手を思い起こせば、野茂英雄を先がけとして、松坂大輔、田中将大、ダルビッシュ有、大谷翔平、千賀滉大、菊池雄星、山本由伸と、パ・リーグ球団のエースとして活躍した選手が多い。
かつてパ・リーグで上記のような好投手たちと対戦していた打者は、交流戦で精神的に優位に立てたと振り返る。
「交流戦でセ・リーグのエースと呼ばれる投手たちと対戦しますが、ダルビッシュや千賀と対戦しているので、正直、2ランクぐらい力が落ちると感じるんですよね。先発ローテーションの3番手以降になると、5得点以上は取れる。交流戦の時期は他のパ・リーグ球団も勝つので取りこぼしてはいけないし、個人成績でも打率、本塁打数を上げないといけないという精神状態で戦っていました」