グループBは大混戦となっている。現時点で1位・韓国(勝点16)、2位・ヨルダン(勝点13)、3位・イラク(勝点12)、4位・オマーン(勝点10)、5位・パレスチナ(勝点6)、6位・クウェート(勝点5)で、上位4カ国に2位以上の可能性が残っている。

 混戦の大きな理由が、韓国の“足踏み”だ。昨年11月までの第6節を終えた時点では4勝2分けと本命らしく順調だったが、今年の3月シリーズの2試合をともにホームで戦いながら、第7節オマーン(1-1)、第8節ヨルダン(1-1)とまさかの連続ドロー。第6節のパレスチナ戦(1-1)も含めると3試合連続の引き分けとなった。イラクが3月シリーズで停滞(1分け1敗)していなければ首位の座を明け渡していた可能性もあった。

 韓国代表を率いるのは日本でもお馴染みのホン・ミョンボ監督だ。アジアカップでベスト4に終わって解任されたユルゲン・クリンスマン監督の後任として、2014年W杯ブラジル大会を率いて以来2度目の登板。今回の6月シリーズの戦力を見ると、就任当初からチームの中心だった2人、プレミアリーグで活躍中のソン・フンミン(トッテナム)とアンダー世代から久保建英と比較され続けてきたイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)は健在だが、DFキム・ミンジェ(バイエルン)が負傷によって3月シリーズに続いて今回の6月シリーズも欠場。その他では、32歳のMFイ・ジェソン(マインツ)、28歳のMFファン・インボム(フェイエノールト)、23歳のMFヤン・ヒョンジュン(セルティック)と日本代表選手たちと同僚の欧州組、Jリーグの活躍が認められて代表入りしたFWオ・セフン(FC町田ゼルビア)やKリーグ得点ランキングトップで今回A代表初選出となったMFチョン・ジンウ(全北現代)が注目される。

 しかし、日本と比べると選手層の薄さが気になるところだ。ドイツの移籍情報専門サイト『transfermarkt』が今年4月に発表した市場価値の高い選手によるアジアベストイレブンに、日本から7人(鈴木彩艶、冨安健洋、伊藤洋輝、守田英正、佐野海舟、久保建英、三笘薫)が選ばれた一方、韓国からは3人(ソン・フンミン、イ・ガンイン、キム・ミンジェ)のみ。2020年代以降の日韓戦2試合(2021年3月、2022年7月)は日本がともに3-0快勝。直近の約3年間は対戦がないが、その間に選手層が「日本>韓国」となっているのは客観的に見ても明らかだ。それでもグループBの中で韓国が実力最上位なのは間違いない。残り2試合は、アウェーでのイラク戦、そしてホームでのクウェート戦。3位・イラクと引き分け以上で本大会出場が決まるが、韓国国内でホン・ミョンボ監督の解任論も高まっており、内容も問われるラスト2戦になりそうだ。

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