
6月5日、10日、2026北中米ワールドカップのアジア最終予選が行われる。参加国が「48」に拡大された中、アジア枠は「8.5」。すでに8大会連続8回目の本大会出場を決めている日本代表にとっては「強化」の側面が強くなる6月シリーズ(5日オーストラリア戦、10日インドネシア戦)だが、アジアの他国にとっては“生死を賭けた”「運命」のラスト2戦となる。
アジア最終予選のレギュレーションは、A〜Cの各グループの上位2カ国が本大会出場権を獲得し、3、4位がプレーオフに進出するというもの。グループAでは、イランが日本と同じく6勝2分けの勝点20と圧倒的な強さで本大会出場を決めている。以下、2位・ウズベキスタン(勝点17)、3位・UAE(勝点13)、4位・カタール(勝点10)、5位・キルギス(勝点6)、6位・北朝鮮(勝点2)という状況だ。
躍進ぶりが目立っているのが、ホワイトウルブス(白い狼)の愛称を持つ現在2位のウズベキスタンだ。アンダー世代からの強化、成功が実を結び、5日に行われる3位・UAEとの敵地での一戦に引き分け以上で同国初の本大会出場が決まる。チームには高い能力を持つ若手選手が多く揃い、今年1月にプレミア移籍で話題を集めた21歳のCBブドゥコディル・クサノフ(マンチェスター・シティ)を筆頭に、長身FWエルドル・ショムロドフ(ローマ)や、昨年のアジア年間若手最優秀選手の21歳MFアボスベク・ファイズラエフ(CSKAモスクワ)など欧州リーグで活躍するタレントもいる。仮にUEAとの一戦に敗れると、勝点1差となって最終節のホーム・カタール戦を迎えるだけに、その前に「W杯初出場」を決めておきたい。
カタールの動向も注目される。強引な帰化戦略で推し進め、2019、2023年とアジアカップ連覇を果たし、2022年の自国開催で本大会も経験した。だが、今大会の最終予選は8試合で計21失点と守備崩壊で大苦戦。イランにも完敗(1-4)すると、UAEに連敗(1-3、0-5)し、前節キルギス戦(1-3)に敗れて3位以下が決定した。5位・キルギスに逆転される可能性も残る中、残り2試合の相手はイランとウズベキスタン。5月1日にスペイン代表やレアル・マドリードを指揮した経験を持つフレン・ロペテギ氏を新監督に招聘したが、果たしてどこまで即効性があるか。プレーオフからの2大会連続の本大会出場を狙う中、新生カタールの戦いが注目される。