オリックスの山岡泰輔(日刊スポーツ)
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 オリックスの山岡泰輔が5月15日に国内FA権を取得した。山岡といえば今年のシーズン前、オンラインカジノで賭博をしていたとして球団から行動自粛を命じられたことが記憶に新しい。だがスポーツ紙デスクは、「権利を行使すれば複数球団の争奪戦になることは間違いない」と話す。

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 山岡はかつてオリックスのエースと呼ばれた。2019年に自己最多の13勝(4敗)をマークし、最高勝率(.765)のタイトルを獲得。先発として稼働してきたが、試合中盤に捕まる傾向があったため、23年のシーズン途中に当時の中嶋聡監督が救援に適性があると判断して配置転換。リリーフ転向後は18試合登板で防御率1.19と抜群の安定感でチームのリーグ3連覇に貢献した。

 昨季は故障で出遅れた影響で自己最少の6試合登板にとどまった。巻き返しに向けて今年に期する思いが強かったが、2月に衝撃のニュースが流れる。山岡が海外のオンラインカジノを利用していたためコンプライアンス違反の疑いがあるとして、オリックスが活動自粛と自宅謹慎を命じたことを発表。山岡は海外のオンラインのポーカーゲーム大会に参加して賭博をしていたが、違法だと認識していなかったという。

 NPBは2月下旬、7球団14人がオンラインカジノ利用の自己申告をしたことを公表した(その後、8球団16人に)。だが、山岡以外の名前は公表されなかったため、「山岡は気の毒」「不公平だ」などとNPBに批判が殺到した。オリックスは山岡が深く反省していることを受けて3月13日から活動を再開したと発表したが、当面は個人練習だったため大きく出遅れることになった。山岡は大阪府警に単純賭博容疑で書類送検されたが、4月23日に不起訴処分になっている。

 山岡が1軍に昇格したのは5月5日。翌日の日本ハム戦で今季初登板のマウンドに立つと、わずか6球で打者3人を抑える快投を見せ、球場を沸かした。その後、痛打を浴びる時もあったが、登板を重ねることで安定感が増していった。5月25日のソフトバンク戦では5回に登板して三者凡退に抑え、23年7月23日の日本ハム戦以来、672日ぶりの白星を挙げている。

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