関東以外の地区からは長野日大の外野手、斎藤大斗を挙げたい。昨年夏の甲子園でも5番、ライトで出場しているが、チームは青森山田に初戦で敗れ、斎藤自身も3打数ノーヒット、2三振に終わっている。筆者もその試合を現地で見ていたが、正直印象に残っていない。しかしこの春からスカウトの間から盛んに名前を聞かれるようになり、県大会の準々決勝、松本国際戦に足を運んだ。

 試合は5対6で逆転負けを喫し、北信越大会出場は逃したものの、斎藤はレフト前ヒット2本とサード強襲の内野安打の3安打をマーク。186cmの長身でまだ長いリーチを少し持て余しているように見えた部分はあったものの、鋭く体を回転させるスイングは迫力十分だ。決して力任せではなく、スムーズに強く引っ張れるというのも魅力である。またライトの守備も動きが良く、肩の強さも備えていた。貴重な大型外野手だけに、夏の活躍次第では高校からのプロ入りも見えてくるだろう。

(文・西尾典文)

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