撮影:馬場岳人(朝日新聞出版写真映像部)
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「“かわいいもの”も“おいしいもの”も、手渡すときが一番うれしいの」。102歳の現役美容部員の堀野智子さんは、おもてなしの達人です。取材に訪れた人には、手編みのソックスカバーを。「赤い殻のゆで卵」は美容院への差し入れ。ポーラの社員会には、季節感のあるお菓子を添えて。細やかであたたかな贈り物習慣には、堀野さんの豊かな感性と、誰かを思う気持ちがあふれています。
「誰かの笑顔が見たい」その一心で続けてきた、小さなギフトの数々。その背景にある工夫やエピソードから、人生を豊かにするヒントを、堀野さんの最新刊『102歳、今より元気に美しく』(朝日新聞出版)から一部を抜粋・加筆再編集して公開します。

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――堀野さんは、訪れる人へのちょっとした贈り物をいつも用意されているとうかがいました。どのような工夫や思いがあるのでしょうか?

 100歳を迎えるころから、「高齢の現役ビューティーアドバイザー」として取り上げてもらえるようになり、わが家にはマスコミ関係の方がしばしば訪れるようになりました。

 わざわざ東京から来てくれることも多いので、よく編んでいたソックスカバーをお土産のつもりで差し上げています。

 もともと手編みは大好きで、絶えず編んできました。セーターやカーディガンなど、自分が身に着けるニット類は全部お手製です。

 長年編み続けてきたので、残り毛糸がたんまりあります。

 それに私が編み物好きだということを周りの人たちは知っているので、使わなかった毛糸をもらうことも多かったんです。

 少ない分量の毛糸でパッと編めるものはないだろうかと思っていたとき、ソックスカバーを思いついたというわけです。

 ちょうどコロナ禍になって家にいる時間が増えたタイミングでした。
 

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