「佐々木は成績以上の影響力があった。コンディション不良に陥ることもあったが、投げる試合は確実に試合を作っていた。登板日の計算がしにくくても、安心して頼りにできる投手が1人抜けたのは大きかった」(ロッテ関係者)
佐々木は11.87と高い奪三振能力を誇り、与四球率1.96という制球力の良さも際立った(渡米前3年間)。NPB実働4年で64試合登板、29勝15敗、防御率2.10の成績を残し、ポスティング制度を活用して今季からドジャースでプレーしている。
「日本ハムは中長期視点に立ったチーム編成、強化を行ってきた。批判覚悟で中心選手を戦力外にするなど、ビジョンへのブレがない。ロッテは『強豪球団を作り上げる』と言いつつ、佐々木のポスティング制度を認めるなど一貫性がない」(在京球団編成担当者)
日本ハムは2004年から導入した独自の選手評価基準「BOS(ベースボール・オペレーション・システム)に沿ってチーム編成を行ってきた。2021年オフには秋吉亮投手、西川遥輝、大田泰示両外野手の3人にノンテンダーFA公示(実質の自由契約)をしたことも話題となった。
ロッテは2021年に“VISION 2025”を発表、5カ年計画で常勝球団となることを目指した。当初はプラン通りに進んでおりAクラス常連にはなれた。しかし、ゴール年となる2025年を前に佐々木を放出、その中で迎えた今シーズンの低迷に逆風は強まっている。
「ノンテンダー時には大きな批判を受けた。しかし年齢や伸び代を考えた場合、チームとしての選択肢はなかった。野手はその後に万波中正をはじめ素晴らしい若手も出てきた。我々のビジョンとステップに間違いはなかったと確信できる」(日本ハム関係者)
新庄監督就任後はチーム編成もさらに積極的になった。特に野手には万波をはじめ、生え抜き選手をどんどん起用して経験を積ませる。松本剛、上川畑大悟、五十幡亮汰、清宮幸太郎、野村佑希、田宮裕涼、水野達稀など、出場機会を得た選手が結果を残そうと必死にプレーしている。