そして、10月21日の巨人戦。平松は4回まで1四球のみの無安打無失点に抑え、5回表まで8対0と大きくリード。ところが、その裏、3長短打と犠飛で2点を失うと、6回にも駒田徳広の2点三塁打などで2点差に追い上げられてしまう。前半飛ばした疲れと強い雨の影響でマウンドが荒れ、思うような投球ができない。
なおも1死一塁、一発出れば同点という場面で、「200勝もチラリ、頭の中にあった」という岡田功球審が審判団を集めて協議。「止めてくれ」の願いどおり、コールドゲームが宣告され、日本石油の先輩にあたる巨人・藤田元司監督も「試合前にもうおめでとうと言ってあります」と17年がかりの快挙を心から祝福した。
翌日の毎日新聞は「雨のセーブ」の見出しで報じている(平松は84年に通算201勝で引退)。
田中にとって200勝はまだ通過点のはず。5月後半以降に復調し、偉大な先人たちに続いてほしいものだ。
(文・久保田龍雄)
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