目標としているベテラン俳優
さらに、芸能界においても平は世渡り上手なようだ。
「映画『ネムルバカ』で共演した久保史緒里について、久保は人見知りだったそうなのですが仲良しになったとインタビューで話していたのが印象的でした。コミュ力が相当高そうで、その秘訣について聞かれ『挨拶は絶対かなと思います』と返答。挨拶を返してくれなくても『聞こえていないのかな?』と思って、返してくれるまで『おはようございます!』とめげずに言いに行くそうです。さらに、距離を縮めるためにはハテナで返すという平。その人がどこに興味があるかを探すところから始め、大体は『趣味は何ですか?』から入り、どんどんやり取りを増やしていくとか。そんなコミュ力があるゆえ現場の雰囲気も良くなりそうですし、スタッフ受けも良いと思います」(同)
今後、平はどのような女優になっていくのか。前出の民放ドラマ制作スタッフは「目標とする女優に意外な人物を挙げている」と言う。
「彼女が目指しているのは草笛光子さんだそうです。91歳で今でも現役ですが、以前ドラマで共演した際、交流があったそうです。平は、草笛さんは今までの自分の全てを背負って、長年第一線で活躍されているのが素敵だなと思い、憧れていると語っていました。そんな大ベテランを目標にしているところを見ると、地に足をつけて積み重ねていこうという姿勢も伺えます。同世代の橋本環奈や広瀬すずと比べて派手さはありませんが、演技力だけでなく良好な人間関係を築けたり神職にも取り組んだりと、そうした内面の美しさも俳優業に反映され、見る者を惹きつけるようになってきたのかもしれません」
芸能ジャーナリストの平田昇二氏は平祐奈についてこう述べる。
「平さんはもともと、上戸彩さんや蒼井優さん、松岡茉優さんらを輩出した『おはガール』による女性アイドルグループのメンバーやNHK Eテレのティーン向け番組へのレギュラー出演などで知名度を上げ、『JR SKISKI』のCMで山本舞香さんとともにヒロインに起用されたことを機に露出を増やしてきました。16年には、CM起用社数ランキングの女性タレント部門で7位にランクインしたこともありました。近年はこれまで以上に俳優業に力を入れている印象で、2020年公開に映画『10万分の1』では難病を発症しながらも前向きに生きようとするヒロインを好演。22年には高畑充希さんと共演したミュージカル『奇跡の人』でヘレン・ケラー役を演じて舞台初出演を果たしました。また同年公開の映画『恋は光』での演技が評価され、ヨコハマ映画祭の最優秀新人賞を受賞したことも。まさに俳優として脂が乗ってきた感じで、今後はさらに飛躍していくのではないでしょうか」
今後、当たり役に巡り合えば本格ブレイクという可能性もありそうだ。(丸山ひろし)