4月18日の楽天戦で1試合2本塁打を放ったロッテ・寺地(日刊スポーツ)

監督交代後、出場機会が激減した松川

「松川の課題は打撃に尽きます。高校通算43本塁打をマークし、強肩強打の捕手として期待されましたが、コンタクト率の低さを解消できていない。真面目な性格ですが、あまりガツガツしていないので必死さが見えにくい部分もあります。捕手陣は佐藤、実績がある田村龍弘(30)がいて、年下の寺地にも序列で抜かれる形になっている。ファームでも新人の立松由宇(26)、1軍経験がある柿沼友哉(31)が先発マスクをかぶる機会が多く、このままでは居場所がなくなる危機を迎えています」(ロッテを取材するスポーツ紙記者)

 松川のルーキーイヤーの活躍は、ファンの脳裏に焼き付いているだろう。22年、当時の井口資仁監督に評価され、高卒1年目の捕手で史上3人目となる開幕スタメンに抜擢されると、4月10日のオリックス戦で歴史的偉業に名を刻む。佐々木朗希(ドジャース)とバッテリーを組み、佐々木の完全試合達成をアシスト。完全試合達成の捕手で18歳は史上最年少の快挙だった。「佐々木の相棒」として評価を高め、球宴にも捕手部門で選出される。この年は76試合に出場し、打率.173、0本塁打、14打点だった。

 ところが、井口監督がこの年限りで退任し、吉井理人監督が就任したプロ2年目以降は出場機会が激減する。23年は9試合出場、昨年は2試合出場にとどまった。

「監督交代で立場が代わることは決して珍しくありません。それでも松川が結果を残せば出場のチャンスが増えたと思いますが、アピールできなかった。ノーステップで打ったり、足を上げたり、打撃フォームでいろいろ試行錯誤を繰り返していましたが、なかなかしっくりこないのでしょう。1軍昇格のカギは打力向上に尽きると思います」(ロッテのチーム関係者)

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