今季は巨人戦で早くも3度の決勝打

 阪神と5年契約を結んだ大山は阪神ファンの大声援を背に受け、今年は巨人戦での活躍が目立つ。通算1000試合出場となった4月26日の試合では、同点で迎えた8回1死一、二塁の好機で田中瑛斗のシュートを振り抜き、三塁線を破る決勝の適時二塁打。この試合はこの打席の前は3打数無安打と快音が聞かれなかったが、8回は目の前で佐藤が申告敬遠されて打席を迎え、見事な一打を放って甲子園が揺れた。今季、ここまで巨人と6試合対戦しているが、大山は毎試合で安打を放ち、3度の決勝打をたたき出している。

「今年は大山の表情が柔らかいんですよね。もちろん、試合に入ったら戦闘モードになりますが、佐藤や森下のサポートを支える役割に徹しているように感じます。今までは4番で、背負っていた部分がありましたけど、本来はサポートすることを意気に感じる性格なんですよね。彼の全盛期はこれからだと思います」(阪神を取材するスポーツ紙記者)

 阪神ファンの応援を活力に、頼もしいチームメートとともに、阪神の新たな黄金時代を築きそうな予感がする。

(今川秀悟)

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