目上の人からお褒めの言葉をいただいたときに使うのもおすすめです。褒められたときは、「ありがとうございます」とストレートに伝えるのももちろんよいのですが、感謝の気持ちと謙遜の気持ちを込めて伝えたいケースもあるかと思います。
そのようなときに「恐れ入ります」と伝えると、きちんとした印象を与えることができます。
知っておくと便利な
“お願い”の伝え方
お願いごとをするときに、より相手のご都合を慮る言葉として、「お手すきの際に」という表現があります。緊急性はないけれども、誰かに何かをお願いしたいときに知っておくと便利な言葉です。
「お手すきの際にご確認をお願いできますか?」「お手すきの際にご返信をお願いできますでしょうか?」といった使い方をします。
期限に余裕がある場合は「○月△日までで構いませんので、お手すきの際にご確認くださいませ」といった形で、一応の目安となる期限を伝えておくと丁寧です。
「お手すきの際に」以外にも、「お時間が許すときに」「ご都合のよろしいときに」「空いているお時間に」「もし余裕がございましたら」と、いろいろな言い換えができます。
これらの表現は、緊急性の高いときには使いません。
期限が短い場合には、「お手すきの際に」ではなく、「ご多忙とは存じますが、○月△日までに、ご返信いただけますでしょうか?」と、期日を明確に伝えます。
特に、厳しい期日を目上の人に伝えないとならない場合、躊躇してしまうこともあるでしょう。ですが、ビジネスにおいて期限を伝えることはとても重要です。
伝えるのが遅いと、トラブルのもとになりかねません。ビジネスの場では、言いにくいことほど早めに伝える意識を持ちましょう。
期日のあるお願いごとをするときは、最初に「恐れ入りますが」「大変申し訳ございませんが」「お忙しいことは重々承知しておりますが」といったクッション言葉を添えて、「ご多忙の中、大変心苦しいのですが、○月△日までに、Aという資料をご確認いただけますでしょうか?」といった表現にしましょう。相手の状況を慮る気持ちを表しつつも、期日をしっかり伝えることが大切です。
仕事では、常に伝えるべきところはきちんと伝えつつ、相手への配慮を忘れない姿勢を大切にしましょう。そのためにも、こうした敬意の伝わる柔らかな表現を身につけておくと、仕事がスムーズに進みやすくなります。
(高田将代:Mエレガンスアカデミー代表 マナーコンサルタント・ふるまいコンシェルジュ)