
開幕してまだ十数試合を経過したばかりだが、中日・井上一樹監督の選手起用が物議を醸している。
【写真】中日・井上監督が4番におき続ける石川は期待にこたえられるか
井上監督はシーズン前、「4番は昂弥」と、石川昂弥を4番に据えることを宣言した。
石川は中日の地元・名古屋市の東邦高校から2019年のドラフト1位で入団。故障がちで1軍になかなか定着できなかったが、23年には121試合に出場。4番に座る試合も多く、初の2ケタとなる13本塁打をマークした。だが、昨年は不調で82試合出場、4本塁打のみ。今年のオープン戦も14試合で打率.151と結果を残せなかった。
それでも井上監督は石川を開幕から4番で起用し続けている。その石川はここまで打率.160、0本塁打、3打点(4月11日終了時)と期待にこたえられていない。スポーツ紙記者は表情を曇らせる。
「ナイーブな性格がパフォーマンスに影響しているように感じます。結果を出さないといけないという焦りがありますが、バットが出てこない。変化球に合わせるのは器用ですが、直球に差し込まれるので相手バッテリーに見透かされた配球で打ち取られている。石川は長打を求められていますが、それなら伸び伸び打てる7番あたりに置いた方が良い結果が出ると思います。中田翔、細川成也と4番を打てる選手は他にいます。選手を育てるのに我慢は必要ですが、ファームと違って1軍は勝たなければいけません。臨機応変に対応しないと、今年も上位進出が厳しくなります」
4番・石川にこだわる井上監督だが、今月4日のヤクルト戦では、延長11回無死一、二塁の好機で石川に打順が回ってくると、代打で山本泰寛を起用。山本はピンチバンターとして走者をきっちり進めたが、後続がなく得点は入らず、試合は引き分けに終わった。この采配に、中日ファンから批判が殺到した。試合後、SNSに「4番・石川起用の覚悟はそんなものだったの?」「勝負所でピンチバンターを送る打者なら4番に据えるべきではない」などの声があふれた。4番石川を交代しても勝てなかった試合結果も影響しているのだろう。