岡山はJ1序盤大混戦のサプライズ!
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  2月14日に開幕したJ1リーグは4月8日現在、勝点10差の中に全20チームがひしめき合っている。同じ第9節終了時点での首位と最下位の勝点差を振り返ると、2024年は「13」、2023年は「16」でったことからも、今季の“大混戦っぷり”が分かる。そしてその要因のひとつに「昇格組」の健闘が挙げられる。

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 昨季J2優勝の清水エスパルスは、開幕9試合を終えた時点で、勝点11(3勝2分け4敗)の10位に付ける。第8節・浦和レッズ(1-2)、第9節・横浜FC(0-2)の連敗は誤算だったが、3バックと4バックを併用しながら、1試合平均シュート数12.6本(リーグ6位)、1試合平均パス総数516.3本(同5位)、1試合平均ドリブル数14.2回(同1位)、平均ボール支配率51.4%(同6位)とスタッツ的にも秋葉忠宏監督が掲げる「アクションフットボール」を表現できている。大きいのは、今季加入即、中盤の核に君臨しているブラジル人MFマテウス・ブエノの存在だ。21歳のMF宇野禅斗と組むダブルボランチのボール奪取力&推進力はリーグ屈指だと評価したい。その他、DF高木践がブレイクし、FW北川航也もすっかり自信を取り戻しており、FWアフメド・アフメドフ、MF弓場将輝、18歳のドリブラー・西原源樹など、まだチームとして引き出しが多くある。大混戦の中で現在は10位だが、J1復帰初年度で5位以上を狙えるチームであることを開幕9試合で示したと言える。

 昨季J2最少失点での2位で1年でのJ1復帰を果たした横浜FCは、開幕9試合で勝点10(3勝1分け5敗)の11位だ。すでに2度の連敗を喫しているが、1試合平均タックル数21.9回(リーグ4位)、1試合平均ブロック数21.9回(同5位)、1試合平均1vs1勝利数19.3回(同3位)などの守備スタッツがリーグ上位。平均ボール支配率は44.8%(同18位)と低いが、1試合平均被枠内シュート数はサンフレッチェ広島の1.5本に次ぐ少なさの2.0本であり、9試合で計7失点という数字以上に四方田修平監督の3-4-2-1システムの守備組織がしっかりと機能している。課題は得点力だが、23歳のFW櫻川ソロモンの成長と開幕後に加わったルキアン、山田康太が前線のクオリティアップに貢献しており、左ウイングバックの新保海鈴の左足も新たな武器となっている。まだまだシーズンは始まったばかりで保有戦力を冷静に考える上位進出は厳しいと言わざるを得ないが、J1舞台を1シーズン戦い抜く勇気と期待をサポーターに届けることには成功したはずだ。

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