Ado/22歳の歌い手。2020年に「うっせぇわ」でメジャーデビューし、社会現象になった。以来、ヒット曲を出し続け、24年4月には女性ソロアーティストとして初の国立競技場でのライブを成功させるなど活躍を続けている。25年はメジャーデビュー5周年イヤーとなり、自身初のベストアルバム『Adoのベストアドバム』を発売した。
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 デビューから5年。日本の音楽シーンにおけるAdoの役割はさらに大きくなっている。

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 2020年10月に「うっせぇわ」でデビュー。若い社会人の不満をぶちまける歌詞、激しいサウンドとメロディ、そして、巻き舌で、がなるようなボーカルが印象的なこの曲は、幅広い世代から注目を集め、大ヒットを記録した。

 小学生の頃からボーカロイド楽曲(※歌詞とメロディを入力し、歌声を合成できるソフト“ボーカロイド”を使った楽曲)に興味を持ち、2017年から“歌ってみた動画”を投稿する“歌い手”として活動を始めたAdo。インターネットで活動する歌い手は姿を見せないのが基本だが、メジャーの音楽シーンにこのスタイルを持ち込み、数多くの歌い手が活躍できる場を作ったのも、彼女の功績だろう。

「自分自身の活動を客観視することが増えた」

 その後も「踊」「新時代」「唱」などのヒット曲を生み出してきたAdo。デビュー5周年を記念した初のベストアルバム『Adoのベストアドバム』には、“1人で録音し、歌ってみた動画をアップする”ところから始めた彼女が、日本を代表する歌い手になっていく過程が刻まれている。

「『うっせぇわ』でデビューして、もう5年も経ったんだという驚きのなか(笑)、それくらい長く活動させていただけて、より一層たくさんの皆さまにAdoの存在を知っていただけたことに本当に感謝しています」とデビューからの日々を振り返る彼女。この間の変化については、「視野の広がり」を挙げた。

「自分自身の活動を客観視することが増えましたし、自分がいる環境について一つひとつ見直したり、ファンやスタッフの皆さまのご意見を踏まえたうえで、自分自身の歌の活動と向き合ったりする機会も多くなって。以前よりは落ち着いた部分も、心境としては増えてきたのかなと思っております」

 彼女のルーツであるボカロP――「うっせぇわ」の作者・SyudouもボカロPだ――の楽曲はもちろん、B'zの稲葉浩志、松本孝弘や椎名林檎、Mrs.GREEN APPLE、中田ヤスタカ、Vaundy、Ayaseなど日本を代表するアーティストの提供楽曲を歌うことで、表現の幅を広げ続けてきたAdo。

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