※写真はイメージです(写真/Getty Images)
この記事の写真をすべて見る

 新著『会社員を2度クビになった僕が、月100万円を稼げるようになった方法』を執筆した坂口康司さんは、「発達障害であっても、周りからの特別な配慮なしでも、自分の力でより良い生活を勝ち取れる」と言い切ります。一方で、会社員を辞めたときには特別なスキルも専門性もなかったとも言います。では、辞職後の仕事をどのようにして見つけたのでしょうか。坂口さんに解説してもらいました。

*  *  *

発達障害の僕には、クライアントワークしかなかった

 私は発達障害を抱えていますので、会社員時代は仕事で全く成果を出せず、仕事の専門性もなく、コミュニケーション能力が低いため、プライベートで遊べる友達も少なく、そこまで給料が高くなかったため、大した貯金もありませんでした。

 つまり、会社員を辞めた時は、何も持っていない状態の人間でした。

 このようにスキルもお金もない人間が、会社を辞めて、お金を稼いで生きていくためにできることは、1つしかないと思います。

 それは、クライアントワークをすることです。

 クライアントワークとは、お客様から仕事の依頼を受けて、成果物を提供することで、対価としてお金を得る仕事のことです。

 例えば、カメラマンであれば、写真を撮影して、写真データを納品することの対価としてお金を得ることになります。ライターであれば、文章を書くことで対価を得ることがクライアントワークということになります。

 もし貯金がたくさんあれば、貯金を株式や不動産に投資することで、お金を得ることができるかもしれません。

 もしくは、何かしらの専門性があったり、マネジメントスキルがあったりするのであれば、人を雇って何かしらの事業をできたかもしれませんが、いきなり人を雇用して事業を始められる人はそんなに多くないと思います。

 会社をクビのような形で辞めた私には絶対に無理でした。

 また、アルバイトをすることでも生活する上で必要なお金を得ることができるため、一時的には良いですが、一生アルバイトをして生活し続ける未来は現実的ではないでしょう。

 そうなると、やはり過去の私のように何も持たない人間は、何かしらの価値を提供することでお金を得るクライアントワークをするしかないのです。

 身近なところに会社勤めの人しかいなくて、クライアントワークという働き方のイメージが湧かず、心配になるかもしれません。でも、そのような働き方をしている人はたくさんいます。実際に、会社員時代の私も会社勤め以外の働き方があるとは知りませんでしたが、独立してからは、ひとり社長や個人事業主として働く人が意外にも多いことに驚かされました。

次のページ 特別なスキルがないからこそ