
こうした問題を解消するために、攻めの局面で1トップ+2シャドー+両ウイングバックの5人が前線に並び、さらに2ボランチのうちの1人がそこに加わっていくような攻めの形を構築した。相手に5バックで守りを固められるケースを想定し、日本も人数をかけて攻め崩す手立てを整えたのだ。
最終予選では8試合で24ゴールを記録。それに次ぐのがオーストラリアの13ゴールで、他グループを見てもイランやカタールの16点(A組)、韓国の14点(B組)が最多であり、対戦国は違うものの、日本の得点力の高さがわかる。
「究極は我々が強くなれば、世界もアジアもないということを根本で思っている中で、でも現実の戦いにおいては、アジアでは分かりやすく言うとボールを握る時間がより多く持てる。一方で、世界で強豪と戦う時には我々がボールを保持できる時間は短くなる。自分自身の中でアジアと世界はつながってはいますが、その状況に合わせて戦うことが大切だと、分けて考えるようになった」
森保監督自身、指揮官として2度目の最終予選に臨むに当たり、前回苦しんだ反省を生かしていた。アジアの戦いにおける最善策を練り、チームに落とし込んだことはやはり大きかった。(ライター・佐藤景)
※AERA 2025年4月7日号より抜粋