オープン戦でもここまで2試合に先発して6回を自責点2にまとめており、四死球も0と安定したピッチングを見せている。広島も中日と同様に毎年多くのイニングを投げていた九里亜蓮(オリックス)がFAで移籍した穴が大きな課題であり、その穴を埋める候補の一人として名前が挙がっている。カープアカデミー時代から日本でのプレーを希望していたという点もプラスとなりそうだ。

 パ・リーグの投手でここまで評判が良いのがリリーフ右腕のウィンゲンター(西武)だ。2019年にはパドレスで51試合に登板した実績を持つ長身右腕で、1月に西武と契約。来日して初の実戦となった2月18日の紅白戦ではいきなり三者連続三振という圧巻の投球を見せて話題となった。対外試合でも2月27日のロッテとの練習試合で1回を3奪三振、3月6日の日本ハムとのオープン戦でも1回を2奪三振でいずれも無失点と好投を見せている。

 2メートルを超える長身でストレートは160キロ近いスピードがあり、スライダーの変化も鋭い。コントロールには少し課題が残るものの、球威で圧倒して三振を奪えるというのは最大の魅力である。昨年チームトップの28セーブをマークしながら退団したアブレイユに代わる新クローザー候補としてかかる期待は大きい。

 野手は近年苦戦している選手が多いことから全体的に見ても新外国人選手は多くないが、その中でここまでアピールを見せているのがモンテロ(広島)とヘルナンデス(阪神)の2人だ。モンテロは2023年にメジャーで11本塁打を放った実績のあるパワーヒッター。2月24日の中日戦でオープン戦初ホームランを放つと、3月1日の楽天戦でもマルチヒットを記録するなどここまで順調な調整ぶりを見せている。守備や走塁など打撃以外のプレーは課題が多そうに見えるが、貴重な強打者タイプとして重宝されることになりそうだ。

 一方のヘルナンデスはメジャーでプレーした経験はなく、過去3年間はメキシカンリーグでプレーしていた内野手だ。推定年俸4700万円という金額からもそれほど注目度は高くなかったが、キャンプからアピールを続けると3月7日のDeNAとのオープン戦ではホームランを放つなどの活躍を見せている。現在の立ち位置としてはバックアップ要員という印象だが、このまま結果を残していけばシーズンでもスタメン起用が増える可能性は十分にあるだろう。

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