神田麻綺さん

神田さんは米国人の父と日本人の母の間に生まれた。姉二人含め家族全員が語学好きで、中でも母親はフランス語、ドイツ語など多くの言語を学ぶ語学マニアだ。

「私は生まれも育ちも日本ですが、母からは語学力、特に英語は頑張ってほしいと常々言われていて、私自身、英語を学ぶのは好きでした」

 家では両親は英語で会話し、映画鑑賞は吹き替え版禁止など、自然とリスニングが鍛えられた。神田さんは帰国子女ではないが、「なんかかっこいい」という理由から高校1年時に編入試験を受け、帰国子女クラスであるグローバルコースに編入。学校史上、過去に前例のないケースだったという。

語学好きになる理由は家族でのイベントにも理由があった。

「海外旅行に毎年行っています。多いときは1年に6回くらい。これまで20か国以上は訪れていると思います。体験を大事にする家族の方針で旅行の優先順位は高く、学校も休んでいくことが多いです」

 父親は外資系企業に勤め、海外に赴任することもある。海外で求められる人材のレベルは高く、大学での学びも重視されると家族間でよく話題に出る。神田さんは海外での活躍も視野に、学びを続けるうえで大事にしたいのは、研究でも実践した「好きを追求する」ことだ。

「一番上の姉は医者になりたいという夢をかなえるためにものすごく勉強をしていましたし、2番目の姉は農学部出身なんですが、テレビが好きだからとテレビ局に入社しました。父親は仕事大好き、母親は語学大好きと、好きを追求している家族なんです」

 尊敬する偉人はココ・シャネル。小学生の時に伝記を読み、その力強い生き様、グローバルな活躍に魅了された。

「大学では女性の立ち位置の研究を継続しながら、培ってきたプレゼン能力を生かしてイベント運営などもしてみたい。そして、よりシビアに評価される海外に挑戦できるように英語の多様性や国際教養など、さまざまに学び続けていきたいです」

 神田さんは力強くそう締めくくった。好きを原動力に大学生活を満喫するつもりだ。

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