カウンターはモノであふれ、キッチンに娘の勉強机がありました/ビフォー

「モノを一切探さなくなりました! 探し物に費やしていた時間がかなり長かったみたいで、その分の時間が自分の時間になったんです。あと、学校からの配布物とか、スケジュールとか、ちゃんと管理できるようになりました」

 そして、実は家事が大嫌いだったちひろさん。家がきれいになるとキッチンにいる時間が快適になり、自炊の回数が増え、夫と娘と一緒に料理をするようになりました。

「もともと家族みんなでキッチンに立てるように、家を建てるときに広く設計していたんです。それが、散らかっていたせいで実現できていませんでした。今回、10年越しに夢が叶ったんです」

 床置きがなくなって動きやすくなり、さらにきれいになって居心地もアップ。今では、料理を含めたあらゆる家事が楽しく感じられます。

娘の意見を採り入れ、机を撤去。家族で料理を楽しめるキッチンに変身/アフター

「毎日のイライラもなくなって、娘からは『ママは本当に優しくなったね』と言われました。子どもたちの宿題を見ているときは、夫が家事をフォローしてくれたり、家族みんなで補い合って、少しずつチームのようになってきている気がします」

 ちひろさんは、片づけた日々を振り返って「自分と向き合う時間だった」と教えてくれました。

「今回の片づけでは、きれいな家以外に、いろいろなことを得られました。何かを始める前にゴールをイメージすること、完璧にやろうとしないで少しずつでも完了していくこと、家族と話すことの大切さ。それを生かして、もっと人間味のある女性になりたいなって思います」

 こう話してくれるちひろさんは、今でもとても魅力的な笑顔を見せてくれています。でも現状で満足せず、すでにもっと上のゴールを設定しているのかもしれません。ちひろさんがそのゴールまでどのように歩んでいくのか、今から楽しみです。

人生が変わる片づけの習慣 片づけられなかった36人のビフォーアフター
▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼