
“守られないけど自由”
木村編集長:柔軟さで言えば、いまの社会は一度選んだ道を軌道修正できる自由度は上がってきている気がします。例えば会社を辞めても、新たにトライできるようになっているのでは?
三浦:そうですね。ただ、枠から出ることには寛容だけれども、外から枠に入ることに関しては壁が強固になっているように思います。転職サイトに登録していますが、45歳を境に、声がかかる職種が激変しました。保険の営業や介護系、もしくは年齢問わず人材不足の企業からのオファーばかりに。新卒時に良いポジションを取ればお金を稼げるルートに乗れるけど、私は非正規の編集のアルバイトから始まり、今はフリーで死なない程度に生きています(笑)。“守られないけど自由”という選択肢がすごく増えたと感じます。
木村編集長:確かに多様性が進んでいると言いつつ、それを享受できる人は一部だったりしますよね。そうした社会の中で、具体的に「これやっておくと良い」ことはありますか?
桐生侑花さん(愛知県・41歳・会社員・既婚・子なし):金融系の企業で会社員をしながら個人でFPとしても活動しています。20~30代の時に、自分の価値を高めるために資格を取得したり検定を受けたりして、50代を超えた時に困らないようにしてきました。「資格を持ってるからいいよね」などひがまれることもありますが、今後は英語と中国語を磨いたり、MBAを取ったりして、金融界でもっとキャリアを積んでいきたいです。
坂本:自由を謳歌するには、それなりに責任が伴いますよね。責任を持って自分が敷いたレールを進むか、社会に敷かれたレールに乗るかの二択で、今はその中間層がないと感じます。