
2025年のJ1リーグ開幕から約2週間が経過し、全20チームが4試合を戦い終えた。実に8チームが新監督を迎えた中、波乱含みのスタートとなっているが、現時点で好発進を見せて今後に「期待できる」チームと、予想外に苦しんで「心配な」チームがある。
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順位表を見ても一目瞭然の好スタートを切ったのが、首位の柏レイソルと2位の湘南ベルマーレ、3位のサンフレッチェ広島の3チームだ。いずれも4試合を終えて3勝1分けで負けなし。昨季2位で今オフの大型かつピンポイントな補強も決まって戦力充実の広島の無敗に驚きはないが、まだ第4節終了の段階とは言え、昨季17位の柏、同15位の湘南の“上位ワンツー”を予想できた者は皆無だろう。
昨季最終節まで残留が決まらなかった柏は、大黒柱だったMFマテウス・サヴィオが流出した。だが、新たに就任したリカルド・ロドリゲス監督のもと、GK小島亨介から、DF杉岡大暉、DF原田亘、MF原川力、MF久保藤次郎、MF小泉佳穂といった名の通った実力者たちを次々と獲得した。新戦力14人ということで連携面に心配があったが、開幕から福岡(1-0)、川崎(1-1)、C大阪(2-1)、浦和(2-0)と3勝1分け。堅守速攻からポゼッションスタイルへ、予想以上に早く新監督の戦術がチームに浸透し、新戦力の面々も機能している。
今後の継続性が大事になるが、まだ本領発揮していない日本代表FW細谷真大の存在も“伸びしろ”として控えるなど戦力値は高い。データ的には「ボール支配率(60.6%)」に加えて「パス総数」「平均ポゼッション時の走行距離」などがリーグトップを誇っており、ボールを保持しながら“人もボールも動く”魅力的なサッカーができていることは今後へ向けても非常に楽しみだ。
クラブ予算規模的も少なく、毎年のように残留争いに巻き込まれてきた湘南は、山口智監督体制5年目を迎えた中、鹿島(1-0)、C大阪(2-1)、浦和(2-1)、横浜FM(1-1)での3勝1分け。オフの補強も地味だった反面、チームの団結力は高く、磨き続けてきた3-5-2システムの中でアグレッシブな守備網が完成し、その上で昨季ともに10得点を挙げた23歳・福田翔生と21歳・鈴木章斗の叩き上げの2トップが躍動している。