福田は鹿島戦での圧巻の切り込み弾を含めて2得点1アシスト、鈴木は3得点をマーク。左のMF畑大雅、右のMF藤井智也の機動力も目立ち、19歳のMF石井久継も力強さがアップした。チームとしては「平均タックル数」「1vs1勝利数」、そして「ゴール期待値」「シュート数」などがリーグトップ。球際で激しく、アグレッシブかつダイナミックなサッカーを展開している。
その他では、3年ぶりにJ1舞台に戻ってきた清水エスパルスにも注目したい。東京V(1-0)、新潟(2-0)、広島(1-1)、岡山(1-1)と2勝2分け。新加入のブラジル人MFマテウス・ブエノがボランチの位置から多彩かつ落ち着いたプレーを見せ、大卒2年目の高木践が右SBもしくは左CBとして攻守に奮闘。MF中原輝も好プレーを見せている。現在5位にいるが、戦力的にもこのまま上位争いを続けられそうだ。さらに鬼木達新監督率いる鹿島も鈴木優磨、レオ・セアラの強力2トップに加えて新加入のDF小池龍太が存在感を見せており、鹿島らしい“しぶとさ”もみせ、開幕4試合を湘南(0-1)、東京V(4-0)、新潟(2-1)、FC東京(2-0)と3勝1敗。結果、内容ともに好スタートを切っている。
その一方で「心配な」チームも多くある。その筆頭が、名古屋グランパスだ。開幕戦で川崎(0-4)に大敗した後、神戸(2-2)と引き分けるも、FC東京(1-3)、町田(1-2)と連敗。昨季も開幕3連敗スタートだったが、今季は1分け3敗でクラブ10年ぶりの開幕4戦勝ちなしでの最下位スタートとなった。対戦相手が手強かったことは確かで、新守護神GKシュミット・ダニエルの長期離脱の影響もあるが、それでもFWマテウス・カストロ、MF浅野雄也、MF原輝綺、DF宮大樹とオフの補強も上々で優勝候補にも挙げられたチームとしては明らかに想定外だ。最大の問題は4試合でリーグワースト11失点の守備であるが、攻撃でも「1試合平均チャンスクリエイト数」がトップの湘南(12.5)の半分以下の5.8と見せ場は少ない。SNS上には早くも長谷川健太監督の解任を求める声が溢れており、予断を許さない状況に追い込まれている。