投打に高い能力を感じさせる滝川・新井瑛太
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 3月18日に開幕するセンバツ高校野球。アマチュア野球で年に最初の大きな大会であり、ドラフト戦線という意味でもここから本格的にスタートしていくことになる。昨年も今朝丸裕喜(報徳学園→阪神2位)、モイセエフ・ニキータ(豊川→ヤクルト2位)などが見事なプレーを見せて評価を上げた。一方でセンバツ出場を逃した選手も夏にかけて評価を上げるケースは多い。今年の高校生ドラフト候補の現状について探ってみたいと思う(学年は全員新3年)。

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 まずセンバツに出場する選手で最も注目を集めることになりそうなのが健大高崎のエース、石垣元気だ。昨年のセンバツでは背番号10ながら5試合全てに登板。準決勝と決勝では先発も任されてチームの初優勝に大きく貢献した。同学年で背番号1を背負っていた佐藤龍月が昨年夏に肘を痛めて長期離脱となるとエースに昇格し、チームを3季連続の甲子園出場に導いている。

 最大の魅力はストレートの出力の高さだ。体つきはそれほど大きいわけではないものの、無理のないフォームでコンスタントに150キロ前後のストレートを投げ込むことができる。ここ数年の高校生投手の中でも、そのスピードは1、2を争うレベルであることは間違いないだろう。少し投球リズムが単調で、コントロールもアバウトなところがあるため、スピードの割にバットに当てられることは多いが、昨年秋は変化球もレベルアップしたところを見せた。このまま怪我なく順調にいけば、高校生投手の目玉となる可能性も高そうだ。

 センバツに出場する他の投手では阪下漣(東洋大姫路)、宮口龍斗(智弁和歌山)、蜂谷逞生(日本航空石川)、行梅直哉(高松商)、長崎蓮汰(滋賀学園)、奥村頼人(横浜)、下重賢慎(健大高崎)、矢吹太寛(東海大札幌)、久高颯(エナジック)などの名前が挙がる。

 この中でも安定感でリードしているのが阪下だ。秋の近畿大会、対大阪学院大高戦ではわずか90球で完封の“マダックス”を達成。続く明治神宮大会では準決勝で優勝した横浜に敗れたものの、延長11回を投げ切って自責点1と見事な投球を見せている。ストレートは140キロ台前半が多いが、数字以上に勢いがあり、制球力の高さも抜群だ。センバツでも注目を集めることは間違いない。

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センバツ出場を逃した高校にも逸材が!