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いよいよオープン戦がスタートしたプロ野球。どの球団もルーキーなどの新戦力に注目が集まっているが、そんな中で大きなプラスアルファとなる可能性があるのが他球団を自由契約になって移籍した選手だ。そんな掘り出し物となりそうな候補を探ってみたいと思う。
【写真】中日の“気の毒な投手”といえばこの人 将来は移籍の可能性も?
まずセ・リーグ連覇を狙う巨人でアピールしているのがDeNAを戦力外となった石川達也だ。2020年の育成ドラフト1位で入団すると、2年目には支配下に昇格。昨年はリリーフで15試合に登板して防御率1点台と結果を残したが、オフには再び育成契約を打診されて退団を選択し、巨人が支配下契約で獲得した。このキャンプでは順調に調整を続けており、18日に行われたDeNAとの練習試合では2回をパーフェクトで2奪三振、23日の広島とのオープン戦でも1回を三者凡退で1奪三振と完璧な投球を見せている。
ストレートは140キロ台中盤と驚くような速さはないものの左投手らしいボールの角度があり、チェンジアップなど緩い変化球の精度も高くなっているように見える。阿部慎之助監督もリリーフだけでなく先発候補としても考えると発言するなど評価を上げていることは間違いない。巨人の先発左腕は実績のある日本人選手が少ないだけに、このまま結果を残し続けていけば開幕ローテーション入りのチャンスもありそうだ。
セ・リーグの同じサウスポーでもう一人面白い存在となりそうなのがソフトバンクを自由契約となって中日に移籍した三浦瑞樹だ。盛岡大付、東北福祉大でも主戦として活躍し、2021年の育成ドラフト4位で入団。3年目の昨年7月に支配下登録されると一軍で5試合に登板して無失点、二軍では最優秀防御率のタイトルを獲得するなど結果を残したが、オフに育成での再契約を提示されて退団を決断し、中日に育成契約で入団することになった。
15日のDeNAとの練習試合ではツーランを浴びて3回を投げて2失点だったものの、22日のロッテとのオープン戦では4イニングを投げて被安打2で無失点としっかり結果を残して見せた。最大の武器はブレーキのあるチェンジアップで右打者にも左打者にも勝負球として使うことができる。制球力の高さも大きな持ち味だ。中日ではドラフト1位ルーキーの金丸夢斗にかかる期待が大きいが、ここまではスロー調整を続けているだけに三浦にもチャンスはあるはずだ。このまま好投を続けてまずは開幕前の支配下昇格を狙いたい。