天羽:これまでのSNSフォロワーを中心としたコミュニティ内では「いいね」や「シェア」などの承認欲求を満たす報酬がありました。しかし、web3ではこれに加えてトークンでの金銭的インセンティブが追加され、それぞれのコミュニティに貢献した人にはトークンが配られます。そしてコミュニティが盛り上がればトークンの価値は上がり、売買することで値上がり益を期待することもできます。この時に自分のデータを証明したり、コミュニティに入る権利としてNFTが使われたりするのです。

NATSU:そもそも、トークンとNFTの違いがわからないんですが、教えてもらってもよいですか?

天羽:そうですよね。まず、『新・NFTの教科書』の冒頭で以下の用語集をつけているので参考にしてみてください。ここにもトークンを掲載しているんですけど、「トークン」っていろんな意味で使われていることがあるのでわかりにくいんですよね。

ALLY:web3とか専門用語とかがいっぱいあって、本当に難しくて・・・ 

天羽:「トークン」という言葉は一般的には暗号資産そのものを指すことが多いです。暗号資産のなかで、お金みたいな性質をもつビットコインなどに限定してトークンという表現を使うこともあります。ゲーム業界のひとたちはNFT(Non-Fungible Token=非代替性トークン)をアイテムに使ったりするので、FT(Fungible Token=代替可能なトークン)という言葉と分けています。金融型の人たちは暗号資産とトークンとNFT、それぞれ言葉と意味を使いわけています。まだまだ言葉の定義があいまいですね。

頻出する基礎的な用語説明
天羽健介・増田雅史 編著『新NFTの教科書 web3時代のビジネスモデルと法律・会計・税務』(朝日新聞出版)
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