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世間への「見せしめ」との見方も
一方で、芸能界からの反応はさまざまだ。
「爆笑問題」の太田光は、同月16日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)で高比良の謝罪動画に触れ、「オンラインカジノって、ここ数年できてきたものじゃないですか? そういう整備ができて。だから、法律っていうのはどういうふうになってるのかって、なかなか見極めるのが難しいと思うんです」と語った。その上で、「言葉は悪いけど、見せしめ的なことに使われてしまっているんだとすれば、ちょっと僕は気の毒だなと思うんですけど」とコメントした。
他方、高比良と同じく吉本に所属する「ロザン」の菅広文はコンビの公式YouTubeチャンネルの動画で「吉本の社員の気持ちを代弁すると“なんでやねん!”やと思う」とし、「吉本ってコンプライアンスの研修をむちゃくちゃやってるやん。オンラインカジノに関する研修もやってるんですよ」「違法という認識がなかったというのは、通用せえへんかなと思っている」とバッサリと切り捨てた。
オンラインカジノとはネット上で運営されているカジノのことで、バカラやスロット、ポーカー、スポーツベッティングなど実際にあるカジノと同じように賭博に興じることができる。英国をはじめ海外では合法の国もあるが、日本国内から参加すれば違法となる。
もっとも、実際にはお金を賭けずにゲーム感覚で楽しめる“無料版”も存在するが、こちらは違法性はない。“無料版”では、サッカー日本代表でキャプテンも務めた吉田麻也選手や俳優の橋本マナミなどがイメージキャラクターやアンバサダーを務めたり、広告に出演したりしているケースも見受けられる。
「この“無料版”に関しては違法性がないことと、広告費用として大きなお金が動くこともあり、多くの有名人がプロモーションに一役買っていました。確かに違法性はないのですが、“無料版”でのプレーをキッカケにどっぷりとハマった人もいると思います」(ITライター)
吉本芸人だけではない。先月末、21年東京五輪の卓球男子団体で銅メダルを獲得した丹羽孝希選手が海外のオンラインカジノサイトで賭けをしたとして賭博容疑で書類送検されたと報じられた。
「吉本芸人に関しては、太田さんが言及したように“見せしめ説”も取り沙汰されています。確かに、薬物事件などでも、多くの若者が上京する春シーズンなど、世間の風紀が乱れやすい時期を前に著名人を逮捕することで世間にインパクトを与えることがあると聞きます。とはいえ、『オンラインカジノ』が違法であることに違いはなく、書類送検された丹羽選手は卓球Tリーグの岡山リベッツから契約を解除されるなど厳しい処分を受けています。吉本芸人たちもオンラインカジノでの賭博が事実であれば、それなりのペナルティーを受けることになるでしょう」(同)