釜ケ崎で暮らす人たちが集まる「三角公園」前に立つ水野阿修羅さん。「この地域の憩いの場」だという

「指導員も含めたら日雇い歴はざっと45年。色々見てきたなあ。日本が不況になったら真っ先に仕事がなくなるから、釜ケ崎は日本が抱える社会問題の縮図だから」。多様な人がいて、社会のひずみがよく見えるまち。釜ケ崎をそう捉えている。

 バブル崩壊後、釜ケ崎の人口が減り、高齢化が進んだ。ホームレスが減り、生活保護を受給する人が増えた。高齢の生活保護受給者らの多くが、福祉マンションで暮らすようになった。福祉マンションでは、スタッフが支援や相談対応をするが、部屋で孤独死する人も増えた。 

 日雇い仕事などをあっせんする「労働福祉センター」を通した求人が減り、ネットで仕事を探す人が増えた。「どんどん変わっていくが、人付き合いが苦手な人や、過去を捨てた人を受け止めてくれるまちなのは同じ」

【後編】<「カマ以上におもろいところはない」 日雇い45年「アシュラ」が見つけた、山谷・寿町を超える「西成の魅力」>に続く

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