ノルディックスキーTVh杯でのジャンプ(土屋ホーム提供)

――2014年のソチ五輪後に結婚されて、今は9歳の娘と5歳の息子のパパ。ご家族の存在も大きな力ですね

 すごく大きいです。この4、5年の低迷期は実は非常に不安で迷いもストレスもそれなりにあったのですが、子どもたちがいたからこそ頑張れました。試合で家を出るときは毎回、「パパ、優勝してきてね」と言ってくれます。帰宅すると第一声は「パパ、優勝した?」。ダメだった時は「じゃ、次頑張ってね」って声をかけてくれて。そこでパーンとストレスがはじけます。それが低迷を乗り越える大きな力になりました。

――いよいよ五輪への切符をかけた本格的な戦いに入ります。これまで、五輪で金メダルをとるまではやめられない、と発言されていました

 五輪で金メダル、を一番にやってきました。ただ、ソチ五輪で銀メダルを取った後、自分としてはとても残念な気持ちで帰ってきたら、日本のみなさんがすごく喜んでくれて……。空港でも駅でもすごく温かい声をたくさんかけてくださりました。僕が頑張っていることで、「自分も頑張れる」というふうに言われることがとても多いんです。そういうのを聞くと、また僕も頑張ろう、という気持ちになります。自分が今頑張っていることでみなさんに元気を届けることができるならば、と。今はそれが一番のモチベーションかもしれません。

その次だと62歳!

――葛西さんは昔から、夢や目標、それを達成するための行動計画を、メモ帳に書くという作業を続けている、と以前に話されていましたが、そこには今後についてはどのようなことが書かれているのでしょうか

「55歳ぐらいから体くるぞー」とか「60歳になると急にくるぞ」とか言われます。その時によっていろいろ変わってくるのかなとは思うんですけど、とりあえず60歳まではやってみたいという目標を立てています。やはり五輪がメインになってくると思うんですけど、来年だったり、その4年後、58歳の年だったり、という感じにも書いてあるので。今の感じだともっとできるんじゃないかな。その次だと62歳。なんか夢が広がりますね(笑)。

雪印メグミルク杯でのジャンプ(本人オフィシャルブログから)
次のページ 原田さんから「おやじの星だ。頑張れ」と言われています