
スキー・ジャンプのレジェンドが躍動している。2月に入り、ノルディックスキーTVh杯、雪印メグミルク杯と国内の主要大会で連続優勝した52歳の葛西紀明選手(土屋ホーム)。15、16日に開かれるワールドカップ(W杯)札幌大会のメンバーにも選ばれた。今回は残念ながら本選には進めなかったが、50代にして現役を続けていること自体が快挙。国内大会で連勝し、世界とも戦っている。競技にかける気力、体力、モチベーションはどこからくるのか。同世代の一般人が参考にできる体調管理術は? そして、来年のミラノ五輪にかける思いは……。国内大会直後の葛西選手に独占インタビューした。
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――2大会連続優勝、おめでとうございます。大会では葛西さんと同世代で、少年時代からの先輩でもある岡部孝信さん(現・雪印メグミルクスキー部総監督)の息子、凜大郎さん(16)がジュニア部門で優勝しました。ジュニア部門とはいえ、36歳下の選手が同じ大会に出ているというのはどんな気持ちですか
年齢はそんなに意識していないのですが、そういった先輩の息子さんと一緒に飛べているということが不思議な感じもしますし、うれしいなっていう気持ちでもあります。
年齢を重ねていても関係ない
――50代で現役というだけでもすごいことですが、優勝、さらには2連勝というのは驚異です。ジャンプという競技の特性もあると思いますが、そこまでできる要因はなんでしょう
能力もそうですが、反応や判断力という面と運動センス、そして努力してトレーニングする、というのが全部ひっくるめて、今いい方向に向いていると思います。水泳や陸上競技などは40歳、50歳までやるというのは厳しいでしょうけど、ジャンプは飛び出す時のパワー、方向、タイミング。これをうまくつかめることができれば、年齢を重ねていてもそこまで関係ないんじゃないかなと思います。
――とはいえ、同年代でそこまで活躍できている人が他に見当たらないのは、やはり特別感があります。若い時から天才と呼ばれるほどの能力があったことや積み重ねてきた経験が違うということでしょうか