「伝統工芸の魅力を社会に発信して継承のきっかけをつくる。そうした橋渡しはデザイナーだからこそできる表現です。私は自分らしい表現をして、それが誰かに届くことで幸せを感じてきました。その点は今も昔も変わっていません」
一方で、少し変わってきたこともある。がむしゃらに、目の前の仕事に一直線だった時期を経て、いまは意識的に余暇の時間もつくり出しているという。
「土曜、日曜は極力休むようにして、年に1回は大きな休みを取って海外に足を運んでいます。それがアイデアの源泉にもなって、次のいい仕事にもつながります。私自身がそうだったように夢中になって働きすぎる人が多いと思うけれど、そういう時間も大切にしてほしいですね」
今年は歌手デビューから30年、そして夫とともに自身の会社を創業してから5年の節目だ。
「昔は私の感覚的な部分に頼ることが多かったけれど、池澤さんと仕事をするようになって、コンセプトを決めて、アイデアを出し合い、プレゼンテーションをして、というチームでつくるメリットを知りました。これからも、チームで世界に思いを届ける表現活動をしていきます」
(編集部・川口穣)
※AERA 2025年2月17日号
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