オンラインカジノを紹介するXの投稿

 オンラインカジノはいま、日本で急速に広がりを見せている。

 読売新聞の報道によれば、オンラインカジノをめぐり、24年に摘発された利用者は162人、運営側の業者は17人だった。

 著名人の関与も明らかになった。吉本興業の所属タレントが賭博をした疑いがあるとして、警視庁から任意の事情聴取を受けていたことが2月5日、各紙で報じられた。1月には卓球の五輪メダリストの丹羽孝希選手(30)が賭博容疑で書類送検されている。

 今回のように著名人が関与してニュースとなったことで、オンラインカジノが日本では違法ということを、初めて知ったという人も多いのではないのだろうか。

日本は海外のオンラインカジノ運営会社のターゲットに

 これまで「違法カジノ」と聞くと、看板もなく、知る人だけが知っている場所でやっているという「怪しさ」や「わかりやすさ」があった。しかし、オンラインカジノは、前出のベラジョンのサイトのように、スマホさえあればだれでも簡単にアクセスできてしまい、ゲーム感覚で入り込めるというのが大きな特徴だ。

 オンラインカジノに詳しい静岡大学の鳥畑与一名誉教授(金融論)がこう指摘する。

「一部の国ではオンラインカジノは合法化されており、自国のライセンスを取ることで経営が許されています。それをいいことに、『ライセンスを取得している』と安全性をアピールし、問題がないと信用させているわけです。それを勘違いしてしまう人が多いのが実態です。運営側も多額の広告費をばら撒いており、インフルエンサーや芸能人がSNSなどでPRすることも多々あります。有名な人が宣伝しているから大丈夫と思ってしまう人も一定数います」

 そして、前出のA氏も話していたように、日本がいま、オンラインカジノを運営する海外の会社からターゲットにされているのだという。

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