今季がメジャー2年目のドジャース・山本由伸(AP/アフロ)
この記事の写真をすべて見る

 大谷翔平ドジャース)の驚異的なパフォーマンスもあり、これまで日本人メジャーリーガーが受賞したことのない主要なタイトルや賞はずいぶんと少なくなった印象を受ける。

【写真】イチローだけじゃない!MLBの年金額「満額支給」の日本人選手がこちら(ほか3人)

 打撃ではイチロー(マリナーズなど)が2001年と2004年に首位打者となり、昨季は大谷が2年連続となる本塁打王、そして打点の二冠に輝き主要三部門はすべて獲得。投手も、コロナ禍で短縮されたシーズンだったとはいえ、2020年にダルビッシュ(パドレス)が最多勝、野茂英雄(ドジャースなど)が1995年と2001年に、ダルビッシュが2013年に最多奪三振を受賞している。

 シーズンMVPにもイチローが1度、大谷が3度選ばれており、残る大きなタイトルはサイ・ヤング賞と最優秀防御率ぐらいのものとなった。

 そして、なんといっても獲得が期待されるのが、投手としての最高の栄誉であるサイ・ヤング賞の受賞。これまではダルビッシュが2度(2013年、2020年)、ツインズ時代の前田健太が2020年に1度同賞の投票で2位となり、マリナーズ時代の岩隈久志も2013年に3位につけるなど惜しいところまではいっているが、大きな山を超えることはできていない。

 今季は日本で最多タイとなる3度の沢村賞を受賞した山本由伸(ドジャース)、ルーキーシーズンの昨年に予想を上回る投球を見せた今永昇太(カブス)がメジャー2年目を迎えることからも、さらなる成績アップも期待される。また、起用法は読めないものの、“令和の怪物”佐々木朗希がドジャース入りし、大谷翔平も今シーズンの早いタイミングで二刀流に復帰する見込み。さらにダルビッシュ、千賀滉大(メッツ)がいることから特にナ・リーグではサイ・ヤング賞を期待させる日本人投手が集まってきた。

 しかし、このナ・リーグのサイ・ヤング賞争いは非常に難易度が上がっている印象も受ける。というのも、日本人投手と同じく“役者”がかなり揃ってきたからだ。

次のページ
ナ・リーグは好投手だらけ!