まず、なんといっても今後メジャーリーグで長きにわたって“君臨”しそうな雰囲気のあるポール・スキーンズ(パイレーツ)の存在は高い壁になりそうだ。
昨季はマイナーで圧倒的な成績を残してシーズン途中の5月にデビューすると、そこから圧巻の投球を披露した。23試合に先発して11勝3敗、防御率1.96と抜群の安定感を誇り、奪った三振(170)はリーグ13位。規定投球回には到達しなかったものの、奪三振率(11.50)、WHIP(0.95)は数字だけを見ればリーグトップで、サイ・ヤング賞の投票でも3位に入るほどだった。年齢は今年で23歳と若く、怪我さえなければ殿堂入りも視野に入ってきそうなポテンシャルを感じる。
他にも若手ではドラフト時に“二刀流”として騒がれたハンター・グリーン(レッズ)が本格化の予感を漂わせている。昨年はプロ入り後最多の26試合に先発して9勝5敗、防御率2.75、169奪三振を記録。8月の中盤に肘の負傷で離脱したものの、オールスター後には7試合の登板で防御率1.13とトップクラスのピッチングを見せていた。年齢的にも今シーズンで26歳と脂の乗ってくる時期。スキーンズとともに今季のサイ・ヤング賞の筆頭候補と言ってもいいかもしれない。
若手以外でも実績のある投手がズラリと並ぶ。オフにドジャースと契約を結んだサイ・ヤング賞2度の左腕ブレイク・スネル、同1度のコービン・バーンズ(ダイヤモンドバックス)に加え、昨シーズン35歳にして初めて同賞に輝いたクリス・セール(ブレーブス)もナ・リーグのチームに所属している。
その他にも、ザック・ウィーラー(フィリーズ)、ディラン・シース(パドレス)、タイラー・グラスノー(ドジャース)、ザック・ガレン(ダイヤモンドバックス)、ローガン・ウェブ(ジャイアンツ)らサイ・ヤング賞を狙える好投手は多い。