■5位:広島(前年5位)
一軍主力投手:
一軍主力野手:
一軍戦力投手:玉村昇悟
一軍戦力野手:二俣翔一
二軍主力投手:常広羽也斗、高太一、(杉田健)
二軍主力野手:佐藤啓介、内田湘大、韮沢雄也、田村俊介、持丸泰輝
小園海斗が若手からは卒業したこともあって一軍の主力としてカウントできる選手はおらず、前年と変わらず5位と評価した。投手では常広、高、杉田、さらに名前は入れなかったが滝田一希とルーキー4人が二軍でまずまずのスタートを切ったのはプラス。しかし全員が大学卒であり、高卒の若手が寂しい状況は続いている。野手も二俣が成長を見せたがレギュラー候補というよりもユーティリティというタイプであり、期待されていた田村も伸び悩んだ。投手も野手も全体的に主力の年齢が上がってきているだけに、二軍からの選手輩出スピードをもう少し上げたいところだ。
■6位:ヤクルト(前年4位)
一軍主力投手:
一軍主力野手:長岡秀樹
一軍戦力投手:奥川恭伸
一軍戦力野手:武岡龍世
二軍主力投手:
二軍主力野手:西村瑠伊斗、伊藤琉偉
主砲の村上宗隆が若手のカウントから外れたこともあって前年4位から最下位へと評価を下げた。特に危機的なのが投手だ。奥川が故障から復帰して3勝をマークしたものの、内容的には復帰前と比べてかなり見劣りする感は否めなかった。二軍の主力としてカウントできる投手も見当たらない。慢性的な投手力不足に対して即戦力投手の補強を繰り返してもなかなか状況は改善せず、若手の絶対数も少ないという悪循環が生まれていると言えそうだ。野手では長岡がリーグを代表する存在となったが、それに続く選手はかなり心許ない状況である。村上も日本でプレーするのは今年が最後となる可能性が高いだけに、こちらも底上げが必要であることは間違いないだろう。
(文・西尾典文)
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。