ラミレス氏

「あの打ち方だったらいつケガしちゃうか」

 清宮について興味深い考察をする球界OBがいる。ヤクルト巨人などで助っ人外国人として活躍し、現役引退後はDeNAの監督を務めたアレックス・ラミレス氏だ。

 ラミレス氏は、1月に配信されたお笑いコンビ・鬼越トマホークのYouTubeチャンネル「鬼越チャンネル」に出演した際、「なんで(手首を)クネクネしている打ち方をしているんだろう」と清宮の打撃フォームを疑問視。「僕が監督をやっている時にすでにプレーしていましたけど、オープン戦で見た時に彼がどんな成績を残すんだろうという思いより、あの打ち方だったらいつケガしちゃうんだろうという心配のほうが大きかった」と打撃フォームが故障の原因になりかねないと指摘した。そして、「あそこさえ修正すれば村上(宗隆)以上というか、打率3割5分ぐらいマークして三冠王を取るポテンシャルを持っている」と太鼓判を押している。

 ラミレス氏といえば、現役時代に首位打者1回、本塁打王2回、打点王4回、最多安打3回など打撃タイトルを多数獲得した強打者だ。MVPにも2度選ばれ、助っ人外国人として初めてNPBで2000本安打も達成。「史上最強の助っ人」といわれることも多い。DeNAの監督としては、20年に筒香嘉智がメジャー挑戦で移籍した後、それまで規定打席に達したことがなかった佐野恵太を4番に抜擢。佐野はその年にブレークし、首位打者を獲得している。

 ラミレス氏が言うように、清宮は打席で構える際、手首を動かしてバットを揺らすような動作が目立つ。この動作でタイミングを取っているのだろうが、手首を動かした後にスイングすると、インパクトの瞬間に両手と手首に大きな衝撃がかかり、故障が危惧されるということだろう。

 早稲田実業時代、高校通算111本塁打と当時の高校最多本塁打の記録を作った清宮は、村上宗隆(ヤクルト)、安田尚憲(ロッテ)と共に、「高校ビッグ3」と称された。中でも注目度は清宮が断トツで、17年のドラフトでは清宮の1位指名に7球団が競合。村上も安田も、清宮のクジに外れた球団の「外れ1位」として指名された。

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