「中継ぎは半分の人数でいい」
新庄監督の発言を受けて、プロ野球ファンの意見は割れた。
SNSでは、「終電で帰れるからありがたい」「他のスポーツに比べて試合時間が長すぎるので賛同できる」などと新庄監督に賛同する意見もある。だが、反対意見のほうが圧倒的に多く、「高校野球は夏の猛暑で体にかかる負担を軽くするという観点で理解できなくもないけど、プロ野球に7回制を導入するのは反対。スポーツが変わってしまう」「絶対に反対。3時間が長いと感じるなら途中で帰ればいい」などのコメントがあふれた。
球界の反応はどうか。パ・リーグ球団の中継ぎ投手は「7回制に変更されたら中継ぎは死活問題です。職を失うので反対です」と苦い顔をする。
「先発の完投試合が増えるし、先発が6回を投げて最後の1イニングは抑えを起用するというパターンも多くなる。中継ぎは今の半分の人数でカバーできます。支配下登録の人数が少なくなるでしょう。打者にとってもデメリットが多くなるんじゃないですかね。1試合で1、2打席減るから本塁打、打点数は大きく減ります。記録の価値も変わってくるでしょう。規定投球回数、規定打席の定義を見直す必要が出てきます。選手が減ることで球団経営としてはメリットが大きいかもしれませんが……」
試合の行方を左右する中継ぎ投手は、先発や抑えに比べてスポットライトが当たらないが重要な役割だ。宮西尚生(日本ハム)は最優秀中継ぎ投手に3度輝くなどセットアッパーとして17年間投げ続け、NPB記録の412ホールドを樹立している。かつて、「JFK」と呼ばれた阪神の鉄壁の救援陣は9イニング制だからこそ誕生した。先発投手の後、セットアッパーのジェフ・ウイリアムス、久保田智之(現阪神2軍投手チーフコーチ)から守護神・藤川球児(現阪神監督)につなぐ勝利の方程式。久保田は07年に90試合登板の日本最多記録を作り、リーグトップの46ホールドを挙げた。7イニング制に変更されれば、こういった投手たちの登板機会が減ってしまう。