AERA 2025年1月20日号より

充実した日々に満足

 30代半ばまで週4でジャンクフードだったり、飲み会だったりと食生活に気配りをしてこなかった。「唐揚げは一生分食べたので、もういらないです」と苦笑いする。一人暮らしで、食材を買って調理する方が手間とコストがかかることもあり、ますます自炊しなくなったという。

 だから、巷で流れる「スーパーに行ったら野菜がこんなに高くなっていて!」というニュースに共感したことはない。ただ、「年齢的に、栄養バランスを考えた食事をしないと健康面に直結します。もし他人のために生きるフェーズが一度でもあったら、自炊に関する悩みは克服できていたかなと思います」と話す。

 とはいえ、女性の話からは現状の独身生活に満足していることがうかがえる。AERAが昨年12月にインターネット上で実施したアンケートにも、充実した日々を送る独身者からの回答が寄せられた。

 独身が増えていることと、ハラスメントに厳しくなった社会の変化が相まって、「昔は『結婚しないのか』『付き合っている人はいるのか』など余計な詮索を受けたが、最近はハラスメントがうるさく言われているので酒の席でもプライベートのことは聞かれなくなった。とてもよい傾向」(滋賀県・公務員・50歳)という声もあった。

(フリーランス記者・小野ヒデコ)

AERA 2025年1月20日号より抜粋

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