「高学歴タレント」と言われることについて
――昭和のテレビでは、たとえば英語の発音がいいと「もう1回言って」みたいに、その発音をイジられる……ということもあったと思うんですが、そうした「イジり」についてはどう感じていらっしゃいましたか。
今思うと、時代が時代だったし、仕方ないのかなとも思います。
芸能のお仕事を始めた当初は、「日本人の社会になじみたい」と思っていたので、英語の発音をイジられるのはつらいなと思うこともありました。でもそのおかげでバラエティーで拾ってもらうこともあったので、そのあたりは仕事として割り切ってやっていたように思います。
実はアメリカからの帰国が決まった時、文部省(現在の文部科学省)の相談センターに「日本でどんな学校に通ったらいいか」と相談したんですが、「普通の公立中学校に行ったら、絶対いじめられると思います」って言われたんですよ(笑)。
英語の発音もその一つの要因だったかもしれません。一方で英語はすごくできるけど、国語や数学など日本の勉強では劣っていた部分がたくさんありました。さらに外見もパーマをかけていて、短パンにビーチサンダルで、いかにも「西海岸のティーン」という感じでしたから(笑)。やっぱり絶対いじめられるだろうし、公立の中学では日本語も英語も中途半端になってしまうだろうということで、アメリカンスクールに通うことにしたんです。
――その後、アメリカンスクールから上智大学に進まれて、「高学歴タレント」と言われることもありましたが、そうした評価についてはどう感じていましたか。
周りからはそう言われることもありましたが、自分としては英語教育で育って、AO入試(現在の総合型選抜)で入ってしまったので、一般の「受験」をしていないんですね。だから「高学歴」と言われても全然ピンときていなかったのが正直なところです。ただ、大学に行きながら活動している自分がちょっと生ぬるいな、と思ったことはあります。でも私は「経験しないと判断できない」タイプなので、大学にも行きたいし、芸能界のお仕事もやりたい、という欲張りな気持ちがあったように思います。とはいえ、もし芸能活動を続けて芸能界が合わないと感じたら、たとえば外資系の企業に勤めるとか、英語を使う仕事で就職しよう、という気持ちは持っていました。