高木氏が指摘する「率」という部分は誰もが感じている部分。一方、パワーに関しては2021年にトレバー・バウアー(当時ドジャース)が佐藤の映像を見て、「メジャーでもパワーは通用するだろう」と絶賛するほどだが……。

「バウアーは(佐藤が)打った時の映像しか見ていないはず。パワーに関しては同じ見解だが、シーズン中から見ていると課題も目につく。同レベルの選手なら米国内や中南米に数多くいるので、飛び抜けたアドバンテージを作り出す必要がある」(MLBアジア地区担当スカウト)

 評価を上げるためには打撃の確実性を上げるとともに、守備面での向上も指摘される。昨季は三塁守備で12球団ワーストとなる23失策を記録した。以前守ったことのある外野への再転向を含め、守備の課題もクリアする必要性がある。

「肩の強さと足の速さは平均以上の評価。チーム事情もあって三塁を任されているが、外野で起用して守備力を高めるのも1つの方法。野球センスは高いので慣れればどんどん上達するはず。三塁守備の負担やストレスがなくなれば打撃にも好影響がある」(MLBアジア地区担当スカウト)

「真面目な男なので、三塁守備を上達させようと必死に練習に取り組んでいた。練習終了ギリギリまで内野守備の練習をする時もあり、疲労を心配することもあった。本人のやる気を尊重したいが、可能なら最適なポジションに就くことで負担を軽減させてやりたい」(阪神関係者)

 関係者の間では今後のことも考えると、外野手に再コンバートすべきという声は多い。チーム事情も絡むため難しい部分もあるが、外野に回ることによって阪神のチーム力と佐藤のメジャー移籍の可能性の両方が上がりそうでもある。

「打線の中軸としてはもちろん、チームトップ級の人気者だけに阪神でのプレーを続けて欲しい。しかし我々の仲間がメジャーの舞台で大活躍する姿を見たい思いもある。テルの思いは皆が知っているので、まずは今季、誰もが文句を言えないような結果を残すことが大事でしょう」(阪神関係者)

次のページ ポスティングでの移籍は許可されるのか