中学校でも、許可をとってカバーメイクをして登校した。
明るく学校生活を送りつつも、メイクのことを聞かれたくなくて、違う小学校から進学してきた初対面の男子とはなるべく喋らないようにした。会話するときは、顔をそむけてしまう自分がいた。
生きてきた中で一番傷ついた言葉
「その年齢なりに、プライドがあったんだと思います」
あざを隠し続けて参加した中学の修学旅行。宿泊先で、メイクを初めてとったとき、
友人は、こう言った。
「かわいそう」
生きてきた中で、一番、傷ついたという。
そんなRICACOさんに、再び大きな転機が訪れる。大学で、初めての恋人ができたのだ。ダンス仲間だった。
「いつか見せるね」
と言いつつも決心できない日々が続いたが、交際して3カ月のころに訪れた“そのとき”。
あざを気にしていたのは私だけ?
恋人は、あっさりとあざのあるRICACOさんを受け入れた。というより、気にするそぶりも見せなかった。
「見せたら嫌われちゃうかな」
そんな思いばかりにとらわれていたRICACOさんに、ふと気づきが生まれた。
「恋人の優しい反応に向き合って、心が救われました。同時に、あざを気にしていたのは、実は私だけだったんじゃないかってことに気付かされました」
カバーメイクは卒業まで続けたが、気持ちは楽になったという。